冬のお魚

おさかな辞典(冬のおさかな)

アカガイ(冬)

鮮度と歯ざわりが決め手の高級品です。すし種、和え物、鍋物にどうぞ。

海岸近くから水深50?位までの細かい砂泥底にすむ。
北海道南部から九州まで広く分布し、主な産地は東京湾、伊勢湾、瀬戸内、有明海など。

味にくせがなく、弾力のある歯ごたえに、色も良いため、刺身・すし種として珍重される。
旬は冬。生きているものを調理し、生食がほとんど。
うど、きゅうり、若布などと酢の物にもするが、セロリやパセリなどと一緒にドレッシングであえ、サラダに。わたは、生姜を入れてつくだ煮風に煮つける。

◆下ごしらえ
(1) ちょうつがいに貝割りかテーブルナイフを当ててねじり、貝をずらせて口をあける。
(2) 貝割りを身の下側に差し入れて左右に動かし、貝柱を切り離す。
1枚の貝殻をはずしもう1枚も同様にしてはずし、身を取り出す。
(3) 身から貝柱とひもをはずし、上下真ん中に包丁を入れ開く。
(4) 包丁を斜めに寝かせて中の茶褐色のわたをそぎ取る。
(5) 身に塩少量をふってザルに入れ振り最後に水で洗う。
こうすると、身がしまり、ぬめりも取れて歯ざわりがよくなる。

◆アカガイの刺し身
(1) アカガイは下ごしらえする。
(2) かたく絞ったしふきんを中央が小高くなるように折りたたみ、この上にアカガイを表にしてのせ、縦横に切り目を入れる。
(3) (2) をまな板にたたきつけ、身をもり上げて切り目を開かせる。
(4) 器に盛りつまとわさびを添える。


アマエビ(冬)

光沢のある赤紅色が美しく、刺身にするととろけるようなおいしさです。

富山湾以北の日本海にかけ、大量に獲れる。
冬、放卵のために水深150~250mの水域に集まってくる頃が最盛期。おもに底引網、エビ籠で獲る。

北国赤蝦(ホッコクアカエビ)が本名だが、アマエビの名で広く知られる。
新潟ではナンバンエビと呼ばれ、刺身やすし種で使われる。
とろりとした甘さが好まれ、新潟を代表する魚介類のひとつである。
近年は特にベーリング海での水揚げが多く、冷凍品としても市場に多く出回っている。

主に刺身で食べるので、鮮やかな紅色で頭がしっかりして、身が透き通っているものが良い。
頭の部分(ミソの入っている)から鮮度が落ちるので、頭が黒ずんでいるのはイキが悪い証拠。
身はなんと言っても刺身で、緑色の卵は生のまま、むき身にのせてワサビ醤油で食べる。
頭は鮮度が良いものは中のミソをすすって食べるのが良い。


アンコウ(冬)

皮も身も内臓も食べられる魚で、そのあっさりした味は鍋物に最適です。

アンコウ科の深海魚。ホンアンコウは口の中が白く、全長が1.5,位になり、クツアンコウは口の中が黒く、1m位になる。ホンアンコウの方がやや深い所にすむ。どちらも日本各地に分布、4~6月に産卵。
遊泳力は弱く、海底で頭部にある背びれの第一棘(きょく)で小魚を捕食する。底引き網でとれる。主に冬の鍋物材料で、干物などにもする。柔らかく粘りのある肉には脂肪が少なく、あっさりしている。
肉のほか、肝臓、皮、えら、腸、腸間膜、胆のうと、殆ど捨てるところなく食べれ、胸びれや卵巣も食べる。特に肝臓を蒸しゆでにした「あん肝」や、酢味噌で合えた「ともあえ」は珍味。栄養価も高いが、この時期値段も高い。

鍋物にするのが一般的。
皮や内臓類も食べられるので、さっと湯通しして使う。鍋物のほか、味噌仕立ての汁物もよい、このとき、酒粕を少量加えると風味が増す。
身よりも肝が重要、冬のアンコウは肝が大きい、このため、この時期のアンコウは高価。ゆでて酢味噌とすり混ぜ、ゆでた身や皮をあえる(とも合え)。

◆あん肝の蒸し方
(1) アンコウの肝は薄皮をむく。手で簡単にむける。
(2) 肝に塩をふり、ボールを受けたざるの上にしばらくのせておく。
(3) すだれの幅よりややせまい幅に形よく納まるように、肝を2~3つに切り分ける。すだれにのせてきっちりと巻く。
(4) 蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で約20分蒸す。
(5) すだれに巻いたまま完全に冷ます。
(6) すだれをはずしてラップできちんと包み、冷蔵庫で保存する。肝なのでなるべく早く食べる。
身と皮は細切りにする、肝は塩をして蒸すか茹でるかし、裏ごしにかけ、味噌、砂糖を加えてすり混ぜる。ここに、身と皮を入れあえる。


カサゴ(冬)

身が締まって、身離れのよい魚です。煮つけや汁物など惣菜用にどうぞ。

種類がたいへん多く、ユメカサゴ、イズカサゴ、フサカサゴ、オニカサゴなどある。日本各地の沿岸の岩礁地帯にすみ、おもにはえ縄でとられる。数十cmの浅場から数百メートルの深場まで生息していて全長は25cm位になり、すむ場所によって体色が異なる。浅いところでは黒っぽく、深いところでは赤い。卵胎生で12~2月に、1万尾前後の稚魚を産む。新潟近海でもよく見られるが、量的には、さほど多くない。

磯釣りの人気者だが、「磯のカサゴは口ばかり」と口が大きくて食べるところがないなどとといわれるが、なかなかどうして、新鮮なものは刺身にもなる。
旬は冬で、多くは総菜用とされるが、塩焼き、煮つけにするとなかなか美味。

みそ汁の具にしても旨い。
皮がややかたいので、皮に切り目を入れて煮る。あっさりしたいやみのない味なので思いきって甘辛く煮つけるとよい。1匹400グラム位のものなら、醤油大さじ3強、砂糖大さじ3とみりん大さじ1/2くらいの味つけに。


◆カサゴのから揚げ
(1) カサゴはえらとわたを除いて洗い、皮に切り目を入れて醤油、酒をふる。
(2) (1)の水気を軽くふいて全体にかたくり粉を薄くまぶす。
(3)揚げ油を170~180度に熱して(2)を静かに入れ、油から出た部分には玉じゃくしで油をすくいかけながら約10分揚げ、取り出す。油の温度を180~190度に上げて魚をもどし入れ、薄い焦げ目がつくまで5分くらい揚げる。レモン汁、食塩、トマトケチャップなどで食べる。


キンキ(冬)

白身で柔らかく、煮つけや粕漬、塩焼をはじめ、惣菜用にお使い下さい。

標準和名キチジ。キンキといったほうが馴染みがあるかもしれない。体色は美しい朱赤色で背びれに黒い斑紋が1個あり、頭はとげが多くゴツゴツしている。全長は30cm位になる。北海道オホーツク岸から駿河湾まで分布。
150~1300?の深海にすみ、東北、北海道の沖合いに多く、底引き網でとられる。口が大きく肉食性、エビ、オキアミ、クモヒトデ、ゴカイ類などを食べる。2~5月に産卵し、卵胎性で春先に多くの胎児を腹に宿しているのが見られる。胎児の発育に必要とされる栄養分をため込む冬が旬である。

肉は白身で柔らかく、煮つけ、塩焼きなどのごく一般的な総菜用として用いられる。
また、小型のものは練り製品の原料ともなる、キンキが原料の蒲鉾は最高級品。

煮つけが旨く、たっぷり脂肪がのっているので、やや甘辛く煮つけるとよい。肝臓が旨いので捨てずに一緒に煮つける。煮汁にうま味やこくが出るので、煮汁でゴボウやウド、焼き豆腐、わかめなどを煮て前盛りにするのもよい。焼くときは、身がやや柔らかいので、塩を振るか、かす漬けなどにして身をしめてから焼くとよい。

◆きんきのかす漬け
(1)板粕をあらくちぎってボールに入れ、酒をふって1晩おく。
(2)翌日、柔らかくなったところで、好みにより砂糖、塩少々を加えてよく混ぜる。
(3)キンキはうろこをこそげ取る、頭を落とし、わたを出して水洗いし、水気をふき取る。
(4)腹開きにして中骨を切り取る。盆ざるに並べ、塩をふる。風通しのよい場所に置いて表面が乾くまでしばらく干し、ある程度水分を除く。
(5)調味した粕を半量ほどバットに敷き、キンキを並べ、残りの粕でおおう。食べごろは2日後位から1週間ほどがおいしい。
(6)魚についている粕をはしでこそげ落とし(長く漬けたものは洗い流しても良い)、中火以下で両面から焼く。焦げやすいので充分に注意する。


キンメタイ(冬)

紅色の美しい魚で、肉質は柔らかです。蒸し物、鍋物にぜひどうぞ。

真っ赤な体に、光り輝く黄金色の大きな眼が名の由未。ただし、タイ科とは遠いキンメダイ科の魚。南方系で、茨城県以南の太平洋岸に分布。300m~500mの深海にすむ。おもに一本釣りでとられ、相模湾では8~10月が産卵期。全長50cm位。近縁のナンヨウキンメは体高が高く、うろこがやや大きく全長35cm位。相模湾、駿河湾、伊豆大島近海に分布。

ママダイの代わりに祝儀用として、お頭つきで用いられることがある。旬は冬で、12月頃から翌春頃までが脂がのり美味とされている。肉質は柔らかく、味が淡泊。

皮鮮度がよければ刺身にもなるが、身が柔らかく、少し臭みもあるので、あまり向かない。煮つけ、蒸し物、鍋物などにしあっさりした味付けにしたほうがよい。味噌清け、粕漬けにしても、肉がしまって味がよくなる。


クチボソ(マガレイ)(秋~冬)

淡泊な味で、甘辛く煮つけるのが一番。また、酒蒸しや唐揚げにもどうぞ。

日本各地、千島、樺太、朝鮮、中国に産するが、主に北の方に多く、底引網などで漁獲される。体は楕円形で左ヒラメの右カレイと云われる通り、右側に両目が接近してある。
口は小さく左右不相称でいわゆる顎の方が発達している。
体のウロコは小さく、身卸しをする場合は、まず最初に丁寧に取る。沿岸の砂底にすみ、海底の小動物を捕食する。産卵期は春で、浮遊卵を産む。

新潟ではクチボソ、マコと呼ばれ低引網で一年中漁獲される。秋から冬にかけて身が厚くなり、クセのない身質は、姿のまま、煮ても焼いても揚げ物にしてもおいしく食べられる。

煮つけにするときは細かいウロコを出刃でこそげ、むめりも取って頭を落し、腹わたを抜く。
その時、血合いもいっしょに取り、水洗いし、水気をふいて切身にする。
さっと霜降りにして臭みを除き、水気をふき、煮立てた煮汁に重ならないように並べ、落しぶたをして煮る。汁をときどきすくいかけながら、煮汁がとろりとするまで煮る。器に盛り、針しょうがを天盛りにする。


ケガニ(秋~冬)

可食部が多いカニで、酢の物に最適です。また、鍋物やカニ飯にもどうぞ。

エビ、ヤドカリ同様、頭胸部と腹部からなる。
腹部は萎縮(いしゅく)し、頭胸部の腹面に折れ曲がり、雌のほうが幅が広い。
胸脚は5対、第1胸脚ははさみ。寒帯から熱帯、陸から深海まで多種が分布。
日本特産のタカアシガニは、はさみを広げると3m、甲も40cmで世界最大。
有用種も多く、底引き綱、籠、刺し網などでとる。

タラバガニ…ヤドカリの仲間で、はさみを入れて脚が4対しかない。北太平洋一帯に分布。甲長は雄20cm、雌16cm程。
ズワイガニ…島根県以北の日本海、40~300mの海にすむ。松葉ガニ、越前ガニともいい、底引き網でとられる。
ケガニ…各脚の背面横、後縁に毛がある。北海道、日本海各地の30~60mの海にすむ。甲長12cm程で、籠漁業でとる。
ガザミ…広く移動するのでワタリガニともいう。
津軽海峡以南の内湾に多く、4~10月に産卵。底引き網、刺し網でとる。

カニ類はもっとも美味な水産物の一つ。なかでも冬のズワイガニは最高の美味とされる。
その他のカニ類も成分の含量の差や、その他のエキス成分の影響により、各種特有の味がかもし出される。
肉質は脂質含量が低いが、卵巣の栄養価はきわめて高い。旬はいずれも秋から冬。

生きているものをゆでるときは、水から入れて強火で15~20分ゆでる。ゆで汁は塩、また時には醤油を入れて、落としぶたをしてゆでる。
あっさりとそのまま二杯酢で食べたり、キュウリなどといっしょに酢の物に。洋風にはマヨネーズであえてサラダにすると持ち味が生きる。甲羅に酒を入れて飲むのも楽しい。


サメ(冬)

鮮度のよいホシサメの腹部は刺身や酢味噌で。クセがある身は焼漬けにすると美味。

北海道以南の沿岸に見られ多くの種類が見られる。生態も多様で、沿岸から沖合い、外洋、海の表層から深海まで各種のサメが分布している。10cm程のツラナガコビトザメから20mに達するジンベイザメまで大小さまざまでエイ類とともに軟肘魚類で、骨格が軟骨でできている。
市場に出るのはヨシキリ、ネズミ(モウカ)、シュモク、オナガ、ツノザメ類、ドチ、ホシなど。新潟では冬から春先にホシ、シロ、ネズミサメなどが見られるが、最近では漁獲量が減り、北海道や東北からムキサメが入荷されて来る。人食いサメと呼ばれるメジロやホホジロサメなどはめったに見られない。

軟骨魚類の肉には尿素などが含まれていて、鮮度がやや低下してくると、アンモニアやトリメチルアミンが生成され、異臭を感じることがある。このため、切り身として市販される量は少なく、大部分は練り製品原料となる。しかしホシザメは例外で、ごく新鮮なものは腹の部分は酢の物や生食にする。ひれは貴重で、乾燥して中国料理の"ふかひれ"を作る。

煮つける場合は、ややアンモニア臭があるので、さっと沸騰湯に通してから、醤油、砂糖、みりん、酒で時間をかけて濃い味に煮つけるとよい。地元では冬の時期に魚が少なくなるので、サメを焼き漬けにして保存食として調理する。


助宗タラ(冬)

さっぱりした味で、煮物や鍋物に。残ったタラはでんぶにすると便利です。

ご存知、タラ子、明太子はスケトウダラの卵巣の塩蔵品。
タラ子の親は、マダラではなくスケトウダラである。
マダラとコマイを加えた3種が日本で見られ、いずれも寒海性。
スケトウダラは下あごのほうが長い受け口で、ひげも短い。
群を作って大きく回遊し、全長は60?位に達する。
日本海側山口県以北に分布、特に日本海北部、オホーツク海、ベーリング海に多い。
国内の漁獲高の8割以上が北海道、青森県の延縄(ハエナワ)漁で水揚げされる。
マダラは上あごのほうが長く、ひげも長い、全長は1?位になり、スケトウダラよりはるかに大きい。
どちらも、冬に産卵する。

白身の肉は柔らかく、身割れしやすく、味は淡泊。漁獲高は、マダラよりスケトウダラの方がはるかに多く、新鮮なものは、煮つけ、鍋物によく、味はマダラよりスケトウダラのほうが上といわれている。しかし、鮮度の低下がきわめて早く、鮮魚での出荷は少なく、ほとんどが、干物、冷凍すり身、練物の材料など加工にまわされる。

生のスケトウダラの卵(助子)は栄養価が高く、市場に出まわるのは12月~3月頃。卵の塩蔵品「たらこ」、「明太子」などに加工され、特上品になるとかなりの高値で取引される。

◆助子のうま煮
助子を、醤油、砂糖、酒などで味を決め、煮立てたもの中に入れ弱火で煮詰める。
薄味の煮汁で時間をかけて味を染み込ませる。


ズワイガニ(冬)

冬の味覚で、おもに足を賞味します。塩ゆでにしてから二杯酢でどうぞ。

11月から3月ごろまで日本海沿岸で水揚げされる。福井、石川、島根、鳥取県が産地として有名である。新潟では11月上旬の解禁から漁が行われるが、この頃から強い季節風が吹くため、その水揚げ量は少なく、高値で取引される。水深40~300メートル、水温5度以下の砂泥底にすみ、深海手繰網や籠などで獲る。
ところにより呼び名が違い、関東では越前カニ、関西では松葉カニ、秋田などではタラバなどと呼んでいる。雄の甲羅幅15センチに対して雌は半分の7~8センチくらいしかなく、雌の身は量も少ないうえに、味も雄より落ちる。雌はおもにミソ、卵巣を堪能する。

冬のズワイガニは最高の美味とされる。肉質は脂質含量が低いが、卵巣の栄養価はきわめて高い。

生きているものをゆでるときは、甲羅を底にして水から入れて強火で沸騰してから15~20分ゆでる。ゆで汁は塩、また時には醤油を入れて、落としぶたをしてゆでる。茹であがったら、あっさりとそのまま二杯酢で食べたり、キュウリなどといっしょに酢の物に。洋風にはマヨネーズであえてサラダにすると持ち味が生きる。甲羅に酒を入れて飲むのも楽しい。


ナメタガレイ(冬)

塩をあてて、水洗いしてから調理します。味醂蒸しや唐揚げにどうぞ。

写真上-マコガレイ.下-マガレイ

眼が体の一方に寄ったカレイ目の中で、ヒラメ類とウシノシタ類を除いたものの総称。
左ヒラメの右カレイといわれるように、眼は有にあるのが普通だが例外もある。寒帯から温帯に分布し、種類も多い。底引き綱、刺し網でとられる。

マコガレイ…北海道南部から大分あたりまでの沿岸に見られ、冬に産卵し、30cm位になる。
マガレイ…マコガレイと似ているが、両眼の問にほとんど鱗がない点が違う。分布も北寄りで、やや大形(40cm位)になる。
メイタガレイ…体形はひし形に近い。両眼の問にあるとげが名の由来。各地沿崖に分布し、漁獲は20cm前後が多い。
イシガレイ…体長50cm位になり、鱗がない。成魚は眼のある側に石状の突起物が発達する。各地沿岸の砂底にすむ。
ヤナギムシガレイ…各地沿岸のやや深い所にすみ、底引き綱でとられる。産卵期は春で、小型カレイの重要種の一つ。

一口にカレイといっても、カレイ類は種類が多く、味も千差万別である。マガレイ、マコカレイ、イシガレイ、ヤナギムシガレイが美味で、メイタガレイ、ナメタガレイはやや劣るといわれる。大分県日出海岸でとれるマコカレイは「城下ガレイ」と呼ばれ、昔から珍味とされる。とくに初夏、体重800g程度のものの刺し身や肝臓の三杯昨の味は格別という。
干物にして最高なのはヤナギムシガレイである。旬は秋から冬の種類が多いが、マコガレイは夏から秋。
一般に味は淡泊で、新鮮なものは生食もするが、焼くと身くずれしやすい。

少し泥臭さがのあるカレイは揚げるのがよい。
小ぶりなものを選んで、頭をつけたまま5枚におろし、身には片栗粉をっけてさっと揚げ、頭と中骨はなにもつけないでじっくりと揚げ、身も骨も食べる。
照りよくこってりと煮っけるほか、たっぷりの薄味の煮汁で煮る沢煮は、魚の持ち味が生きておいしい。

◆かれいの煮付
(1) 魚は、よく煮立っている煮汁の中に、盛りつけたとき表になるほうを上にして入れる。カレイは黒い皮のほうが表になり、ほかの魚とは反対に頭を右にして盛りつける。
(2) 魚は身が柔らかくくずれやすいので、煮ている途中ではけっして裏返さないこと。その代わり味がよくしみ込み、火も通るように、ときどきスプーンで煮汁を回しかける。
(3) 落としぷたをして煮ると煮汁が全体にいきわたるので裏返さなくても味が均一につく、落としぶたは、かならず水でぬらしてから使うこと。乾いていると魚の皮がくっつく。


ハタハタ(冬)

しょっつる鍋や味噌汁、天ぷらなど、独特の旨味を生かした料理を。

太平洋岸にも釧路から宮城県沖合いまで分布するが、日本海に多い。沖合いにすむが秋から岸に寄り、11下旬~12月にかけて浅瀬にきて海藻の間に卵塊(ブリコ)を産む。冬の日本海では雪が降る前兆として雷がなる、これとハタハタの大群が産卵のため接岸する時期がかさなるため、“さかなへん“ に ”雷“でハタハタとなった。能登以北では秋から冬、この産卵に接岸した群を沿岸の定置網や底引き網でとり、以西の兵庫、島取などは春から夏に沖合いの群を底引き綱でとる。全長は35cm位にまで達する。

肉量は少ないが脂質含量が多いため、淡泊な味にも独特な風味がある。冬に秋田、山形、新潟県北で多獲され、煮付け、小味噌煮、干物、塩焼き、田楽など、火を通して料理するが一般的だが、はたはたずし(飯寿司)などにする。旬のハタハタは腹いっぱいに卵を持っている、この卵を地方によっては、「ブリコ」と呼ぶが、これには諸説あり、卵は噛むとブリッブリッと音がすることからブリコ。
また、旧幕時代、藩主がこの魚の繁殖のため卵の採取を禁じたが、漁業者はブリの卵と偽ってとったため、ハタハタの卵がブリコになったという説もある。いずれにせよブリコは、冬の味覚としてその歯ごたえを楽しむ。身は他の魚同様、雄の方が旨いとされる。

秋田名物"しょっつる鍋"が有名。ハタハタを上塩漬けにして1年以上おくと汁が出てくる。この汁をしょっつるというが、これを調味料にして生のハタハタ、野菜、豆腐などを煮ながら食べるのがしょっつる鍋。しょっつるがない場合は、酒をきかせただしで煮る。


ハマグリ(冬~春)

塩焼き、酒蒸し、うしお汁など、上品で濃厚な旨味をそのままご賞味下さい。

形が栗に似ていることから”浜の栗”ハマグリと名づけられたらしい。北海道南部から九州まで分布。内湾奥の深さ20m位までの淡水が入る塩分の低い砂泥底にすむ。旬は晩秋から早春。
食用にされた歴史は古く、貝塚から発見される貝殻の中でもハマグリが一番多いらしい。最近では韓国などから輸入される韓国産ハマグリも市場に出回っている、形は似ているがふくらみが少ない。
ハマグリは砂地で生育するためシジミ・アサリなどに比べ砂抜きが重要。薄い塩水に一晩つけて砂を吐かせる。この時、塩水中に古い釘を入れておくと砂吐きがよいといわれる。

貝殼は同じ貝のものでないとぴったり合わないので、婚礼の料理などに使われる。
なめらかな歯ざわりの肉質で、上品で濃厚なうま味がある。

酒蒸し・汁物・あえ物・焼きハマグリ・鍋物など調理方法は多い。

貝殼は同じ貝のものでないとぴったり合わないので、婚礼の料理などに使われる。
なめらかな歯ざわりの肉質で、上品で濃厚なうま味がある。
酒蒸し・汁物・あえ物・焼きハマグリ・鍋物など調理方法は多い。

<はまぐりの潮汁>
汁にうま味が出ておいしい。鍋に水と砂を吐かせたハマグリを入れて火にかける。煮立って□があいたら2~3分煮て酒と塩で調味し、火を止めてわんに盛る。煮すぎると味がくどくなり、身がかたくなる。

<焼きハマグリ>
カラの表面の汚れを落とし、塩水につけて砂抜きする。
靭帯を削り取る(ちょうつがいの外側にある紡錘状の突起)。
貝むきをカラの内側に差し込み、両面の貝柱をはずして身を取出す。
砂が残っていれば、薄い塩水で振り洗いし水切りして酒を少々からめる。
カラに身を納め、もう一方のカラで蓋をして、直火で焼く。
中火でカラの間から蒸気が吹き出すまで3~4分焼く。
焼きすぎると身がかたくなり、風味を損ねる。
靭帯を切りただ焼くだけでもよいが、一度身を取出しておくと食べやすい。


ヒラメ(秋~冬)

クセのない肉質で、フライやグラタンなどの洋風料理によく合います。

千島、樺太以南、日本各沿岸で水揚げされる。底引網、底刺網、釣りなどで漁獲される。100~200mの海底にすむが、産卵期の春には20~30mの浅瀬によって来る。新潟では夏の禁漁期(7、8月)以外は、ほぼ一年中とれる。
一番脂が乗ってくるのは秋から冬にかけてで、春の真ダイに対して秋のヒラメといわれるほど、この頃のヒラメの刺身は、白身の高級魚として価値が上がる。
また、左ヒラメに右カレイと言われる様にヒラメは目が左側にカレイは右側に付いていてヒラメとカレイを見分ける。

白身で刺身にするとあっさりしていて、ひれの付け根の筋肉はお馴染みのエンガワと呼ばれコリコリとした食感が通好み。
ヒラメはカレイに比べて魚体が大きいので、刺身や洋風料理にする場合は五枚おろしにして使う。
(上身の黒い皮の方が、身が厚く下身よりもお勧め)
刺身の他にはあらい、昆布締めなどにも、クセのない身質は煮物、蒸し物などにも美味。
(煮つける場合は筒切りにする)

◆五枚おろしの方法
(1) 頭を切り落とし、手でわたを取り除く。水洗いをして水けをふき取る。
(2) 尾を手前、腹を左に置く。中央に縦の切れ目を中骨に届くまで入れ、中骨に包丁を当てながら、なでるように何度も包丁を動かし(左手は身を静かに持ち上げる)、腹身をすき取る。
(3) 尾を向こうにして、背身は尾のほうから先と同様に切り離す。
(4) 裏側も同様におろすと表身の背、腹、裏身の背、腹、中骨で5枚になる。カレイも同様におろす。

◆五枚おろしの方法
(1) 頭を切り落とし、手でわたを取り除く。水洗いをして水けをふき取る。
(2) 尾を手前、腹を左に置く。中央に縦の切れ目を中骨に届くまで入れ、中骨に包丁を当てながら、なでるように何度も包丁を動かし(左手は身を静かに持ち上げる)、腹身をすき取る。
(3) 尾を向こうにして、背身は尾のほうから先と同様に切り離す。
(4) 裏側も同様におろすと表身の背、腹、裏身の背、腹、中骨で5枚になる。カレイも同様におろす。

◆ヒラメのこぶじめ
(1)5枚おろしにしたヒラメは、左手でしっかり皮を持ち包丁を身と皮の間に当て、左手を左右に動かしながら引っぱって皮を引く。
(2) 昆布40cm2枚は酒少量で両面をふき、かたく絞った布巾で湿らせて少し柔らかくし、端からクルクル巻いてしんなりするまでおく。
(3) 昆布の間に(1)をはさみ、軽い押しをして2時間から半日おく。
(4) (3) を一口大のそぎ切りにし、別器でわさび醤油で食す。


フグ(冬)

最も有名で最高なのがトラフグの刺身!フグ鍋・フグ雑炊もあっさりして美味。

フグ亜目の魚の総称。卵円形または長楕円形。
歯は癒合(ゆごう)してくちばし状で強い。
胃に膨炊嚢(のう)があり、水や空気を吸い込み、体を人きくふくらますことができる。
トラフグ(北海道からシナ海)、マフグ(日本各地、東シナ海)、アカメフグ(本州中部太平洋岸)、ヒガンフグ(北海道南部から東シナ海)、ショウサイフグ(東北から九州)などが重要種。

"フグは食いたし命は惜しし"。内臓に猛毒テトロドトキシンがあり注意が必要。肉には毒はないが、種類や季節によって変動するので、家庭で料理することは禁物。トラフグ、マフグ、ショウサイフグをおもに食用とするが、トラフグがもっとも美味。脂の少ない透明な白身の肉は淡泊なうま味がある。グルタミン酸、イノシン酸を中心に、タウリンなどが味をまとめていると思われる。旬は厳冬。

ポン酢で食べるちり鍋がおいしい。汁に味が出るので、最後にご飯を人れて雑炊にし、卵でとじるとよい。卵巣や肝臓に猛毒があるので、かならずフグ料理の免許を持った調理人が下ごしらえしたものを求めること。


ブリ(冬)

佐渡の寒ブリは有名。刺身はもちろん、塩焼き・照り焼きも最高。

温帯性の回遊魚で日本各地の沿岸に見られ、定置網、釣りなどで漁獲。夏に北海道南部へ北上し、秋口から南下を始める。冬、この南下するブリを定置網で漁獲、水揚げしたものが最上級のモ寒ブリモ(新潟県佐渡沖・北陸産が有名)。産卵期は2~4月。全長1m位。出世魚で、太平洋側でワカシ-イナダ-ワラサ-ブリ、日本海側でフクラギ(ツバス、ツバイソ)-イナダ(ヤズ)-ハマチ-ブリ。
稚魚をとって養殖するのが盛んになって、最近はハマチといえば養殖ブリのことをさす。"塞ブリ"というように、旬は冬。

冬の日本海、特に北陸、新潟県の佐渡でとれた天然ブリは、脂がのりきってすこぶる美味。ホンマグロの大トロにも優とも劣らないこれに対し、最近出回っている養殖もの(ハマチ)は、脂のかたまりのようでしつこい。
新鮮な天然ものは、とにかく刺身で。醤油をはじくほど脂ののりきった、しかし嫌味のない脂の寒ブリの刺身、この味を一度覚えてしまったら・・・。
塩焼き、照り焼き、バター焼きなど、焼き物にしてもすこぶる美味。煮つけても旨いがちょっともったいない。切り身はやや厚く切る。
寒中の脂肪ののったものは、とくに強火の遠火にし、くすぶらないように焼く。また、寒ブリはもったいないけどハマチくらいならフライパンで焼くと簡単、油やバターは少なめに。ブリは、栄養面でも抜群の食品でタンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンなどがすべて豊富である。

◆ブリの照焼き
[末広串の打ち方]
金串2本または3本を魚の厚みの1/2あたりのところに、串と串の間隔が手前が狭く、向こう側が広くなるように打つ。焼くときに魚が安定してぐあいがよい。

[照り焼きのコツ]
魚はまず九分どおり火を通す(白焼き)、その後、はけでタレを丁寧に数回塗る。
たれを塗ったあとは、焦げやすいので軽く火にかざして乾かす程度にする。
(1) ブリの切り身4切れは、塩小さじ3/5をふって約10分おく。
(2) みりん100gは煮きり、醤油100g、砂糖大さじ1強を加えて半量になるまで煮詰め、冷ます。
(3) (1)に金串3本を末広に打ち、表側から焼きはじめる3~4分焼いて裏返し、裏側も3~4分焼いて九分どおり火が通ったら(2)をはけで塗り、火の上で乾かす。これを3~4回繰り返してきれいな照りを出す。
(4) 熱いうちに串を抜いて器に盛り、菊花かぶを添える。


ホタテカイ(冬)

バター焼、照り焼にどうぞ。レモン汁をかけて、貝の甘味を引き立てます。

主産地は北海道、東北物。市場に出回っているホタテ貝のほとんどが養殖物。大きさが20cmくらいの3~4年ものが一番多く、ほとんどが生きたまま出荷され刺身用として流通している。
鮮度の見極め方はきわめて簡単で、殻が開いている時、中の貝柱に触れて反応良く閉じれば鮮度の良い証拠。生きた状態で出荷されるムキミも同様で鮮度の良い物は触れると反応する。

甘味、うま味の抜群な貝で刺身にすると貝柱が柔らかく最高に美味い。ヒモは、少し歯応えがあり甘味があっておいしいので、一緒に料理する。

繊揚げるときは、繊維を切るように横に2~3枚に切り、天ぷらやフライに。
衣はなるべく薄くし、やや高温の油でさっと揚げる。揚げすぎると身がしまり、かたくなる。


ホンマグロ(冬)

最上級マグロ。トロはいわずと知れた極上刺身ネタ。醤油をはじく程の大トロはワサビ醤油が合う。

外洋性大回遊魚の代表である。クロマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガ、コシナガなど昔からなじみ深いもののほか、ミナミマグロ、大西洋マグロなどがある。
クロマグロは本マグロともいわれもっとも珍重され、全長3m、体重300kgにもなりマグロの仲間で最大。5~6kgの幼魚はメジマグロと呼ばれ、成魚に比べると身が柔らかく脂ののりも少ない。

旬は冬で、クロマグロはマグロ類ではもっとも美味、腹側のトロは脂肪含量が40%にものぼり、まさに絶品。近海物の生の入荷は少なくまさに貴重品、大部分は遠洋で漁獲された冷凍品で、身の変色を防ぐためマイナス35度以下、場合によってはマイナス50度以下の超低温で保存される。
近年では海外から氷蔵で空輸されるものもある。

マグロといえばやはり生で、刺身、すし種、山かけなどにして、わさび醤油がもっともよく合う。
刺身にするときは、薄く切らないで、厚さ1~1.5cmの平作りや角作りにする。当然焼いても良し、この他、噛み切れないほどの筋の部分は、細切りにして「ねぎま」という鍋物にする、ネギとマグロの脂肪をいっしょにして、すき焼きのように煮て食べる。

◆マグロの生姜焼き
(1)マグロの切り身は、醤油、酒、砂糖を合わせたタレの中につけて10~15分おく。
(2)フライパンでサラダ油を熱し、マグロの汁をきって入れ、魚を動かしながらきれいな焼き目がつくまで焼く。裏返して裏も同様に焼く。
(3)小なべに酒、醤油、砂糖、生姜のせん切りを入れて5分くらい煮る。
(4)器に焼いたマグロを盛って(3)をかける。

◆マグロの山かけ
(1)マグロを1.5cmの角切りにし、醤油少量をまぶして下味をつける。
(2)山芋は皮をむいて酢水につけ、水けをよくきって目の細かいおろし金ですりおろす。
(3)のりを軽く火であぶって細く切る。
(4)器にマグロをこんもりと盛り、山芋をマグロが少し見えるくらいにかけて、のりを散らし、ワサビを少々、これに醤油をかけて食べる。


ホッキカイ(冬)

さっと熱湯を通して、わさび醤油や酢味噌でいただくと最高です。

標準和名はウバガイ。通称 "北寄貝"。強い北風が吹いたとき海岸に打ち上げられるのでこの名が付いた。寒海性の二枚貝で、丸みのある三角形で、長さ10cm、高さ8.5cm、幅5.5cm位の大きさ。厚くてかたい殼を持つ。銚子以北の太平洋岸と富山県以北の日本海に分布。比較的水深の浅い砂底にすむ流通量は少ないが、肉、貝柱ともうま味、甘味が強い。旬は冬から春。
東北、北海道が主産地で、三陸産があまり砂を含まないので良品とされる。けた網でとる。福島県相馬地方では養殖も行われており、そのほか市場には、カナダ産の輸入品も出まわっている。4~7月に産卵。30年以上の寿命があるといわれる。成長が遅く7~8センチになるのに5~10年もかかり、10センチ以上になるには20年もかかるといわれる。

生貝のままか、むき身として箱詰めで出回る。新鮮なものは刺身、酢の物がよく、殻からはずしてわたを除き、わさび醤油や酢味噌などで食べる。
さっと熱湯に通してもよい。むき身は煮つけにしたり、みりん醤油につけて焼くとわたも食べられて美味い。また、バター焼きもよい。水煮缶詰めや干物にも加工する。とくに貝柱はホタテガイとともに干し貝柱の主原料。



マガキ(冬)

そのほとんどは養殖物。冬の鍋には欠かせない。揚げたてのフライもまた美味。

流通する生カキのほとんどは養殖物。広島、岡山、宮城、岩手、新潟(佐渡の加茂湖)などで養殖されている。
どこの産地でも種類はマガキだが色々な産地条件などで粒の大きさが異なる。広島物は粒が大きく、三陸産は小ぶりが多い。新潟加茂湖のカキは1キロ入れの業務用として多く出回っている。
ここ岩船沿岸では養殖のマガキとは反対に夏場の産卵前(7~8月)にカキのシーズンを迎える。地元の漁師たちが岩場に潜り、一個一個とってくる。マガキよりも殻が厚く、調理する時は、なかなか容易には剥けないが、養殖物よりもむっちりと身がふくらみ、大き目のものはとても一口では食べられないくらいボリュームがある。

欧米人が昔から生食する唯一の水産物で、肉はなめらかで柔らかく、特有のうま味がある。無機質、ビタミン類が豊富で、この点での栄養価はすこぶる高い。
またカキにはたくさんのタウリンが含まれていて、アジやアサリの5倍、牛ロースの20倍以上含まれている。

◆扱い方
殻付きの場合は、殻をきれいに洗って殻を開ける。殻のかけらが付くので流水で洗い落とし、柱をはずして身を取出す。
むき身の場合は、たっぷりの大根おろしの中でよくかき混ぜると、大根おろしに汚れが吸われて落ちる。そして水を替えて2~3回ふり洗いすると汚れを持った大根おろしが除かれ、カキがきれいになる。

◆カキ雑炊
(1)鮮度の良いむきカキを使う。出し汁に洗ったご飯を入れて煮立てる。出し汁の量はご飯が沈む程度が良い。
(2)コトコト火でご飯が少し柔らかくなるまで煮て、薄口しょうゆに、塩、酒で味を決め、2~3分煮る。
(3)カキを加えて一煮立ちしたら火から下ろす。わんに盛りしょうが汁を落とす。


マダコ(冬)

身がよく締まり、歯ごたえは抜群。大豆や大根との煮物はいかがですか?

本平洋では宮城県以南、日本海では新潟以南ぐらいの暖海に分布。岩礁にすむ群れと、沖合の砂泥底を回遊する群れがある。食用にされるのは真ダコ、ミズタコ、イイダコ、テナガダコ。真ダコがもっとも味が良く、茹でて刺身、すし種、酢の物、煮物などにする。卵が米粒のようなイイダコは20cm位の小型種、全国の砂泥地にすみ、冬に産卵。
新潟で多く見られるタコはミズタコが多く底引網でとられる。雄より身の締まりの良い雌の方が、味が良く高値で取引される。

生きているタコは灰色で斑点があるが、ゆでると色素が見えやすくなり、赤くなる。
タコのうま味には、弾力のあるしこしこした歯ごたえ。卵巣は海藤華(かいどうげ)と称し、煮つけで食べる。

◆下ごしらえ
生のタコはゆでてから用いる。最初に頭を裏返してスミの袋を破らないように内臓と一緒に取り除き、頭をもとの形にもどし、多めの塩で良く揉む。ある程度ヌメリが取れたら水でよく洗い、沸騰湯に入れ、再沸騰したら20分くらい茹でる。
刺身にする場合は足を一本づつ切り離し、縦に包丁目をいれ、そこを手掛かりにして身を転がすようにして皮を引く。

◆タコの柔らか煮
生タコは下ごしらえをしたのち、頭と足を切り離し、すりこ木で軽く叩いて身をほぐす。
水、酒、番茶を合わせた中でタコが柔らかくなるまで弱火で煮る。
2時間程煮て竹串がすぅと楽に通るようになったら、醤油とみりんを加え、薄めの味加減で6~7分煮る。
一晩、味を含ませて一口大に切り、出来あがり。


マダラ(冬)

ちり鍋が代表的。また、相性のよい昆布と一緒に甘辛煮はいかがですか?

オホーツク海、北太平洋、東北以北の太平洋、山陰以北の日本海側などの寒帯海に分布する。
魚偏に雪と書いてタラというように寒風吹き荒れる特に寒の時期が旬。新潟沖でも寒の頃、旬を迎える。この頃はシケが多く、数少ない出漁時にタラバ(沖の魚場)に向かいタラ漁に挑む。日本近海では150m程度の深さにすむが、南にいくほど深くなり500mを超えることもある。
延縄、刺網、底引網などで漁獲。

鮮度が落ちやすいので丸物で買う場合は、表面のつやがあり肉質も堅く張り、目の澄んだものを選びたい。また寒を過ぎると、ボウダラ(産卵が終わり腹になにも入っていないもの)が多く出まわるので魚体全体がふっくらし、丸みのあるものを良く見て選ぶ。
何といってもこの時期はちり鍋が最高。他に昆布締めや煮つけ、粕漬け、フライなどにも合う。
キクと呼ばれる白子は味噌汁、吸い物、煮つけ、酢の物などにして食べる。また軽く水洗いして適当に切った白子を7~8分通り火を通すつもりで塩茹でをして、水にとってさまし、ポン酢、薬味で食べても美味。何といってもこの時期はちり鍋が最高。他に昆布締めや煮つけ、粕漬け、フライなどにも合う。
キクと呼ばれる白子は味噌汁、吸い物、煮つけ、酢の物などにして食べる。また軽く水洗いして適当に切った白子を7~8分通り火を通すつもりで塩茹でをして、水にとってさまし、ポン酢、薬味で食べても美味。

タラのおろし方
最初に細かいウロコを丁寧に取る。
エラを外し、腹を開けてワタを取り出し良く水洗いする。
そして頭を取り、腹の方から包丁を中骨に沿わせて真ん中まで切身を入れる。
次に背中をこちらに向け同じ要領で包丁を入れ、身を外す。
タラは中骨が三角骨といわれ外しにくいので注意。


ムツ(冬)

成魚は冬、若魚は夏がおいしく、初春の卵巣の味は、また格別です。


メヌケ(冬)

小骨が少なく、身離れのよい食べやずい魚です。煮物や和え物にどうぞ。


ヤリイカ(冬)

身が薄く、歯ごたえのある上品なイカで、刺身にずると最高の味です。

北海道から九州にかけて広く分布。
ここ岩船では産卵前の冬が旬で、この頃のヤリイカは身厚で甘味がある。スルメイカに次いで水揚げ量は多いが、この頃の日本海はシケが多く量的にはスルメイカほど多くは獲れない。胴の長さは雄で40cmにも達し、雌は雄よりも小さくせいぜい30cm止まりである。鮮度の見分け方はスルメイカとほぼ同じで獲れたては無色透明でその後、茶褐色に変わる。鮮度が落ちてくるとその色も次第に薄くなる。

マイカほどワタは入ってないため鮮度落ちはマイカより遅いがマイカ同様、料理までは早めにワタを抜いて、皮を取り開いて、良く水気を取ってからラップに包んで冷蔵庫で保管すると良い。刺身にするなら、なるべく細く切り糸造りにして、おろしワサビとかげん酢で食する。
ほかのイカでは味わえない独特の甘味とワサビのからさが、ほどよく口に広がり絶品である。

◆ヤリイカの丸煮
新鮮なマイカのワタをはずし、塩で締める(ワタが見えなく位強く塩して良い)
冷蔵庫に5~6時間置き余分な水気を取る(生臭みも取れる)
塩を払い落とし薄袋からワタをしごき出して裏ごしをかける。ここに細く切った新鮮な身をあえ、密封容器に詰めて熟成(冷蔵庫で)。
時々、はしで掻き回し1週間後位で食べられる。


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